書籍の発売までは考えていませんが、1ヶ月で20万PV=1万円くらいを目指したい。
思いつく限り数を増やしていきます。
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「思い…だした!」
ぼくはマルコ、3歳のしがない孤児さ。先程ずっこけて頭を打ったのが切っ掛けで日本で暮らしていた前世を思い出した。
まぁ特にどうってことないやつだ、普通だったよ。終わり。
そんな事より現世だ。この世界には魔法があって魔物がいて、剣を振り回してなんか飛ばしてる連中がいる。自分のステータスが見れてHPも確認出来る。完全にゲーム世界だよね?こんな世界が自然に発生するなんて受け入れない。
今まで何も考えてない3歳時だったわけだが、意識してしまえば違和感MAX。何もかもが不条理で出来ている調和した世界。誰かが作ったことで確定だよ。
何か特定のゲームを模しているのか?それっぽくしただけ?前世の意識がある人は他にいる?考えても仕方ない。だって答えなんて分かりっこない。
だから考えない、今考えるべきことは他にたくさんある。
まず調べたいのが仕様だ。ステータスにあるのはHP、MP、力、体力、魔力、知力、速さ、運、これだけだ。
上げる方法は?運動の意味は?それぞれの数値の効果は?分からんことだらけだ。
とりあえず今の俺のステータスはこれ。
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名前 マルコ
年齢 3
職業 只人
Lv 1
HP 8/8
MP 1/1
力 2
体力 3
魔力 2
知恵 3
速さ 1
運 3
EXP 0/12
スキル
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なんとも簡素。只人って職業なの?分かるのは、力2じゃ拳サイズの石を投げる事すら出来ないって事かな。
まず仕様を把握したいと言ったが、そのためにやらなきゃいけない事があるな。
「スライムたおすぞ!」
隙をうかがって孤児院から脱走、スライムの出る森まで来た。といっても徒歩2分、小さいスライムなら木の洞や水溜りからちょいちょい這い出てくる。丁度昨日雨が降ったので、よく見て回れば見つかるはずだ。
歩き回って水溜りをちゃぱちゃぱしているとプニョリンとスライムが這い出した。こいつは小さいのなら危険は無いんだけど、食べられる物は何でも食べてしまう害獣だ。大きくなると子供も襲われる。
「わるいけど、ぼくのために利用させてもらうよ」
靴を履いていないので石で殴って潰した。潰した後は水で濡れただけにしか見えない。不思議なモンスターだ。
「あ!やった!」
目に入る【EXP 1/12】という表示。小さくてもモンスターを倒していけばEXPが入るならこれを続けるだけだ。
「スライムさがそう!」
てくてく歩いてスライムを探しては潰して回る事30分ほど。
「つかれた…」
3のキッズは元気に見えても体力は無いのだ、細かく言えばキッズですらないし。
【EXP 5/12】
まだ半分も行ってない。レベルが上がったらもっと動けるかもしれないけど、探し回って潰す作業を変えなきゃすぐに行き詰まる。無闇に探し回るのはやめだ。
「スライムは水溜りから出てくるけど、居るところと居ないところの差はなんだろう?」
今まで出てきたところを観察する。意識して観察すると全て日陰になっている事に気づいた。
「とりあえず影は必要だと仮定しておこう。でも影になってるけど出てこないところもああるよね」
日の入らない木の洞でもスライムが出てこなかったところはある。じっくり観察するけど何も分からない。新しく出てくることもない。
偶然なのかな?それとも目に見えない理由とか?それじゃお手上げだ、分からないなら探して回るしか無い。
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