小説4話目を書いていこうと思います。現時点でノープラン、主人公の名前も覚えてないです。
Pvは36、★は3個 5chで宣伝してなかったらまだPv1だったのでは?
ラノベ書くのは結構簡単に稼げるとは何だったのか?月間ランキング5位で広告料5万円とか凄く遠いです。
来年には20万部売れてるはずなので今は下積み時代のはず。張り切っていこう。
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町にやって来たのは春だったのだが、暑い夏も超えて涼しくなってきた。かあちゃん、冷たい土の上でもぼくは元気です。
町中での仕事にも慣れて、俺は人生初のまともな服を手に入れた。靴は履いてない。
村で着ていた貫頭衣は敷マットとして働いている、そこらの地面より不潔に見えるが多少温かいのだ。洗ったら絶対崩壊するのでこのままだ。木の上にひっかけて隠しておく。盗まれたら大変だからな。
俺の怪力は知れ渡り、冒険者ギルドのオッサンは俺向きの仕事を斡旋してくれる。なぜギルドが受注したのか分からん様な仕事が多い。こいつらアホなのでは?
だが俺は自分を安売りしたりしないぜ、10倍の力があれば2倍の報酬くらい当たり前だよなぁ!これが俺の交渉力だ。
友達も出来た。冒険者なんてロクなもんじゃないと思っていたが、村に馴染めなかった俺もロクデナシなのだ。気の合う連中はここに居た。
野宿で平気な俺には満足出来る程度に安定したきた。日銭を稼いでやすい飯を食い、服や道具を集めていく。出費の大半は貢物だ。
これからの時期の防寒を考えながら日銭を受け取りに言ったらハゲに提案された。
「おめぇそろそろ魔物を狩らねぇか?魔物領域の境界で2匹倒してきたら鉄級に上げてやるぞ」
魔物か。実は見たことがない。
「魔物なんて見たことも無いんですよ、魔を宿した生き物はとんでもなく強いって聞きますよ」
「なんだそうなのか、魔物と言っても境界に居るような奴らは成りかけみたいなもんだ。お前なら殴り倒せると思うぞ」
ほーん、この俺の力見込んでのことか。では討伐もやぶさかではないぞ。人々の安全を守るのも強者の勤め。
「魔物の間引きは領主からの依頼だ、1匹で街の仕事一日分になるぞ」
「やります」
俺は棍棒一本引っ提げて魔物領域へ向かっていた。後は網籠を持っているだけ。相変わらず装備品が無い事には反省している。
さて魔物とは魔を帯びた生物の総称だ。魔、魔素、魔法使い達の操るそれは、何も無い所に火を起こし、水を湧かせ、物体を変質させる。それを体内に取り込むと魔物に変質するそうだ。
変質したとは言え生物、仔を産み増えるし仔は最初から魔物だ。種族を超えて交尾するらしく、奥地で世代を重ねた古い血筋の魔物はもはや生物として何かが隔絶しているんだとか。
そんなおっかない魔物たちだが、基本的に魔物領域から出てこない。何故かと言うと魔物は魔物同士で食いあっているのだ。魔素を体内に取り込んで変質したのが魔物、じゃあその魔物を食えばもっと魔素を取り込んで変質が進むよね。変質が進んだ強い魔物はもっと強い魔物を求めて奥地に溜まっていくのだ。おっかねぇな、魔素って美味いのかね?当然魔物食は絶対の禁忌であり、そもそも食ったら死んじまうそうだ。
そいつらからしたら人間の領域こそ遠い秘境のような物なんだろう、魔物領域は外側ほど魔素の薄い魔物が多く、人間領域との境界には成りたて・成りかけがウロウロしていて偶に人間を襲うのだ。
今回の俺の仕事はそんな境界部分での間引きだ。討伐証明は尻尾があれば尻尾、尻尾がないやつは右手首だそうだ。耳とかなら対象が元気に生き残りそうだしな。
狩りの方法は何でもいい、魔物を殺せるなら何でもいいんだよ。
領主はただ魔物を減らしたい、減らせる力のある奴に仕事をさせたい。それだけだ。毒を使おうが人を雇おうが知ったことではない。報酬は同じだ。
鉄級は魔物と戦える証明でしかないのだ。
「ただか~ぜ~に~ゆ~られて~なにもか~ん~が~えず~♪」
前世で100回は聞いた著作権フリーの名曲を絶唱しながら歩くこと3時間ほど、おそらくこの辺りが境界のはずだ。
魔物は人を恐れない、魔物は人より強いのだ。成りかけであっても人は肉タワーとしか見ていない。魔素の無い美味しくない肉タワーだ。
「かかってこいオラァ!!コラア!!!」
チンピラ風に自分の存在をあっぴるした。どうせ見つかったら襲われるのだ、ウロウロしている所を奇襲されるよりしっかり身構えた状態で襲われる方が良い。
「ゴルルゥゥ」
早速正面からお出ましだ。ゴブリンとかウルフ予想していたのに、猫科の魔獣の登場である。
(めちゃくちゃ強そうじゃねぇか)
体長2メートル弱、体重300キロはありそうな巨大な猛獣だ。尾の先は石を括り付けた様な狂気になっており、毛皮は緑色、口の中はサメの様に細かく尖った歯がびっしり並んでいる虎もどきだ。
(これで成りかけとか成りたてなの?冗談だろ?)
震える心を押さえつけ棍棒を構えて細く強く呼吸をする。
興奮状態により酸素と血液が高速で巡る、体は熱くなり棍棒を握る手に力がこもる。
「いつでも来やがれ!!」
抑え目を見開き殺気を飛ばす。お前には牙と爪があるが人間様には知恵と工夫がある!お前は俺の獲物だ!
ドゴンッ!!
「うぎゃぁぁぁぁ!」
真後ろから強烈なタックルを受けてゴロゴロ転がる、もう一匹いたのか卑怯だぞこのやろう!
無防備にすっ転ぶ俺を容赦無く虎もどきの爪が襲う。
「ぐわあああーー!!」
嬲られて全身から血が吹き出した。これはまずい。
棍棒を振り回して何とか立ち上がったが傷は深い、太ももを抉られたせいで大腿直筋が引きつっている。走るのは無理だ。
あいつらも分かっているのだろう。この獲物は弱っている、後は確実にトドメを刺すだけだ。
後悔が頭を巡る、なぜ俺は装備も無しに来たのか、魔物が恐ろしい事は知っていただろう。思い上がっていたのか、魔物を殺しに行って楽に稼げると思っていたのか。
そんな事はどうでもいい、何も考えるな。俺はこいつらを殺して帰るのだ。あの娘の所に帰るのだ。
それ以外どうでもいい、こんな棒きれもいらん、考える頭も邪魔だ。殺す。殺す。殺してそれから。。。
「ころす」
動かないはずの足に力が入る。ただ前に出る。
「ゴアァァァァ!」
「オラァァァァァ!!」
両前足でのひっかきと同時に噛みついてくる三点攻撃、その足を叩き折り撃墜する。
「ふんっ!」
そのまま頭を踏み砕いて一匹終わり。
「ガァ!」
もう一匹の噛みつきに腕を差し出す、数百の鋸歯が腕を引きちぎる前に喉奥に突き入れ、地面に突き刺すように振り抜いた。
「ゲバッ!ゲバッ!」
喘ぐ魔獣の頭を踏み抜いてとどめを刺した。
ふう満足だ。尻尾を持ち帰ればいいんだったな。
尻尾が綺麗に残っていてよかった。早くあいつの所に帰ろう。
帰りは走って帰った。風が気持いい、走るのは好きだ。
帰り道は少し迷ったがいい匂いがするのに気づいて食堂まで辿り着いた。少しなら食べられるかなぁ。食堂に入ってすぐ働くあいつを見つけた!
「よう!」
「あ、あんちゃん!」
相変わらず光ってるな、こいつを見ているだけで俺の幸せ回路が回りだす。
「どうしたのその格好!いやそれより一旦裏にいくよ!」
「なんだよどうした、そんな怖い顔をするな」
「怖いのはあんちゃんだよ!ぼろぼろじゃない!」
ん?あぁそうだ忘れてた、俺の一張羅がぼろぼろで血まみれじゃねぇか!
また娘っ子に叱られてしまった。ぐぬぬ、軽く鉄級に上がって自慢するはずだったのに。
「怪我は無いみたいだね、もしかして誰かやっちゃった?」
「んな訳ないだろ、魔物討伐に行ったんだがちょっと失敗してなぁ。でもちゃんと倒して討伐証明も取ってきたぞ!」
ホッとした顔の娘っ子に叱られながら、心配させた事を反省した。
走りすぎたせいか胸が痛い。
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