カクヨムへの投稿を終了した作品について、意見を募ってみました。
いただいた意見を要約するとこんな感じでした。
さっそくコレを参考にして作ろうと思ったのですが、最近始めた作品が邪魔で困りました。面白くないし書いてて楽しくもないのですが、あれはあれで一応思惑もあるので残したい。
という事で、このダメ出しを貰った作品を練り直して他サイトに投稿することにしました。これなら並列でも平気です。
他サイトの具合も確かめられて一石二鳥というわけです。
今回試してみる事は、以下です。
これで無理やり捻じ曲げました。書き直しが面倒なので極力コピペしました。
とりあえず投稿して10時間程経過した時点の状態です。
ノベルアッププラス
ノベルアッププラスでは、ブックマーク1件とスタンプ1件(コメント欄へのスタンプ投稿)これだけで【現代・その他ファンタジー】カテゴリの日間15位でした。
見てみると2位の作品もブックマーク1のままで、ランキングに載るのは容易だけど載っても意味が無いという感じでしょうか。かなりユーザーが少ない印象です。
アルファポリス
24時間ポイント271PTで4466位となっています。4466/186,094だそうです。
カクヨムの投稿総数が467,354件なので、ほぼ40%の作品数です。
そこそこ人気作でも24hは0という事もあるので余り意味はありません。
こちらの24hポイントについては調べたのですが。エピソード投稿で1日1回200PT、ユニークPV1=7PT+10PV毎に+1PTボーナス、ブックマークやコメントは200PTや300PT入るけど1時間だけの揮発ポイント。ジャンルが違えばポイントも違う、というややこしいものでした。
つまり今の271PTの内訳は、投稿で200PT+ユニークPV10で70P+ユニークPV10達成ボーナス+1という事になります。これらは24時間経過で揮発しますが、累計などには貯まるそうです。1時間揮発の分は1ヶ月未満の新作のみ加算され、それ以外は加算されないとのこと。
ややこしいです。要するに継続性とPVしか評価しないぞ、それも話数で稼げないユニークPVだぞって事ですね。
PV=サイトの広告料そのものなので、ある意味分かり易いかもしれません。
今後も経過を見ていきます。
初投稿から30時間を超えました。
小出ししようかとも考えていたけどそれほど価値も無いと思いなおし、3話まで公開済み。
現在の状況。上がノベルアッププラス 下がアルファポリス。
ノベルアッププラスでは総合50位、現代・その他ファンタジーカテゴリーで10位となりました。PV数は54となっていましたが、ノベプラのPV表示はかなり時間差があるようで、10位以内に入った効果は分かりません。ただブックマークは1件しかなく、殆ど無意味に思えます。
アルファポリスでは24hポイントの気化が始まり、300前後に留まりそうです。つまりユニークユーザーが1日に13~15人程度という事です。
カクヨムの頃と大体同じくらいです。
経過をみて更新していきます
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199X年、世界はファンタジーの熱に包まれた。海には海底神殿、空には浮遊大陸、地にはダンジョンが乱立し、モンスターが闊歩した。だが、人類はハッスルしていた!!
世界にダンジョンが現れてから30年。最初は大きな混乱と闇雲な挑戦による被害が大変なものだったらしい。突然現れたダンジョンへ早速探索を行った人達は、モンスターに襲われて大きな被害をだしてしまった。
戻った人達の証言と証拠映像によりダンジョンとモンスターが定義され、世界中が対応に追われた。日本政府は当初全面侵入不可としたものの、各国がダンジョン内から新エネルギー物質や現代医学では治療不可能な病気・怪我を治せるポーションを持ち帰った事が発表され、その需要に押される形で抑制的ながら一部を除いて一般開放された。
最初は免許制度とか年齢制限もあったそうだが、すぐに取り払われた。ダンジョンアイテムはとても有用だ、儲かるのだ。であれば探索者がどうなろうと知ったことではない。行きたい奴はどんどん行け、利益を生み出せという事だ。探索者は自分で選択して命をベットする、社会のエリートは探索者の持ち帰る物を利用して富を得る。規制などするわけがなかった。
そうして人々はダンジョンに潜り、その恩恵を貪る。
ダンジョンでモンスターを倒しているとまるでゲームの様に成長するのだ。不思議なスキルが発現し、魔法操る者も現れた。それは人智を超越した力だった。
自動車よりも早く走る者、拳で鉄を砕く者、隔絶した美を手に入れる者、計測出来ないIQを誇る者。
人類は沸き立った!生まれが悪かろうが頭が悪かろうがダンジョンで戦えばいい!底辺と侮られ鬱屈した人生は終わりを告げ、暴力で稼げる時代が来たのだ!
出生率は爆増!景気は爆上がり!犯罪率は激減!健康寿命が爆伸!環境問題は解決!科学は発展し!富は分配され!英雄が町を闊歩した!世はまさに大ダンジョン時代!!
そんな世界で現在中学3年生という人生の岐路に立つ俺。|社《やしろ》鉄平
俺もダンジョン探索者になる予定だ。探索者になるなら学校の勉強はいらんし、人に頭を下げる必要もないし、税金とか保険とかよく分からん事は全部やってくれるし、他人と関わる必要もない。要するにダンジョン潜ってアイテム取ってくれば全部上手く行く。やらない手はないよなぁ。
というわけで、俺は初心者用ダンジョン、通称「狸ダンジョン」に来ていた。
「む、出たな」
初エンカウント!岩陰からモンスターが現れた。
狸ダンジョンで出会ったのは狸型モンスター、そらまぁそうよ。
狸と言っても可愛らしさは無く、牙を剥いた醜悪な面構えだ。
「なんかやりにくいな…ネズミとかの方がいいんだが」
『ギャゥゥゥ!』
狸モンスターはお構いなしに襲いかかってくる!
「うぉ!」
迷っている間に駆け寄ってきて足に噛み付かれた、しかしこの初心者用狸ダンジョンには狸しか出ないのだ。当然対策は周知されている。硬いレッグガードには歯が立たず、必死にガジガジやっている所を上からナイフで切り裂いた。
その一撃で狸モンスターは小さな呻きを残して消えていく。後には小さな石が残った。
「これが魔石か、こいつを集めればいいってわけだな」
1つ500円か、高いのか安いのか。怪我をしても補償なんてない。
初心者ダンジョンだけあって観光っぽいのも多かったが、入り口付近の人の群れから離れるとそれなりに遭遇できた。ちょくちょく狸モンスターが出たが、一匹ずつ現れるモンスターを順番に倒していくだけの体験会って感じだ。
まぁこれでも基本的な事の確認とか、魔物とは言え殺す気構えみたいなのは多少出来たと思うよ。
でもこれじゃないんだよな。俺はこれで食っていきたいのだ。出来れば沢山稼ぎたいし上位ランカーを妄想する事だってある。
時刻は18時、見物に来た客の大半はそろそろ出ていくだろう。本番はこれからだ。
「オラァ!」
奥に奥に進んで狸モンスターを発見しては倒す。こいつらはナイフで刺すより蹴り飛ばしたほうが早い。でも凄く野蛮な感じがするんだよなー。
夜になり人は殆どいなくなった。ここは初心者の見学用だからこんなもんだろう。
効率が上がり、バシバシ蹴り飛ばしていく。しかしこれ、探索者らしさは全く無いな。俺のカルマがDarkに寄ってしまいそう。
そんな馬鹿な事を考えていると、足元で何かが光っている事に気づいた。
「こ、これは!スキル玉じゃねぇか!」
スキル玉!ダンジョン探索者の憧れ!本来レベルアップでしか得られないスキルをもたらしてくれる奇跡のアイテム!
体力上昇等の基本スキルでさえ数億円で売買されているのを見たことがある。まさか初日にこんな物を拾うとはさすが俺!ダンジョンに愛されてるな!もう引退ですね。
俺は急いで拾って握りしめた。
「やったぜ!!・・・あ」
スキル玉は一瞬強く輝き、溶ける様に消えていってしまった。
「アァァァァァ!!触っちゃ駄目だろうがァァァ!!!」
スキル玉の使用方法は簡単だ。素手で触るだけでいい。つまり、そういう事だ。
「アァオ!!」
突如!体を震わす高揚感!頭に!体に!何かが刻まれていく感覚!
「フォォォォアアアアア!!凄いぞ!俺は!俺こそが!全てを掌握する事ができるのだ!!」
溢れる万能感!硬く邪魔だったレッグガードさえ気にならず俺は走り出した!
「ははははは!出てこいモンスターども!この俺が裁きを下してやる!」
俺は雑魚モンスターを蹴り飛ばし続けた。
10分後。
「スキル【重装適性:防具】か。ネット情報だと重装の扱いに補正ってなってるな」
俺は落ち着きを取り戻し、激しい羞恥心で続けることができなくなって帰った。
ダンジョンを出てすぐ横にある買い取り所で魔石を売った。合計130匹分で65,000円を受け取った。
外はもう真っ暗だ、歩き回った後の5月の夜はひんやりして気持ちが良かった。
「ふぅ」
満足だ。初日だからな、これでいいさ。別に本気で英雄になりたいわけじゃない。
中坊が走り回って半日ちょっとで5万?多すぎるだろう。なんで多すぎるほどの報酬が手に入るのか?五体満足なら誰にでも出来る仕事に思える。人が溢れてすぐに価格が暴落しても良さそうなものだ。でもそうはならない。
ダンジョンでモンスターを倒すと強くなれる。俗にレベルアップと呼ばれている。そうして強くなってから弱い魔物を倒しても魔石を落とさなくなるらしい。
狸モンスターを狩って稼げるのはいつまでか?ここでの稼ぎに慣れてしまった人達はきっともう少しだけ強いダンジョンに行くのだろう。
安全なダンジョンで安全に小遣いを稼ぎ、少しだけ強くなって、もうダンジョンと縁を切る人が最も賢い。
だがレベルアップの恩恵はとても大きいらしい。今までの稼ぎを維持したい、ダンジョンのランクを上げると報酬も増える。やめられないんだろうなぁ。
中級まで進むとダンジョンに宝箱が出る。これはレベルに関係ないので、ここまで行くとある程度の収入を安定させられるわけだ。上手く出来てるなぁ、誘われているようで怖い。
俺は今日のアガリを握りしめ、少しの不安を感じながらも良い気持ちで家路についた。
――――――――――
「ただいま」
帰宅時間23時半。中学3年生の帰宅時間としてはアウトである。
「おかえり鉄平くん。随分遅かったわね」
「ごめんかあさん、こんなに遅くなるつもりが無かったら電話しそびれちゃって」
どう見ても大学生くらいにしか見えない、5年前に親父が再婚した俺の義母。本当の年齢は聞けてないが、現在13歳の娘と6歳の息子が連れ子がいる。物凄い美人だが親父はハゲた50代のおっさんだ。一体どんな手段を使ったのか。
「兄、連絡くらいしろ」
義妹の咲耶がジト目で文句を言ってくる。会ったばかりの頃は「お兄様、お兄様」と微笑んでいたというのに、あの頃の君はどこに行ってしまったんだい?
「悪かったって。平太は?」
「お父さんと寝てるわよ。それで今日はどうしたの?」
言ったら怒られそうな気もする。親子でダンジョン探索について喧嘩するのはあるあるだ。悲しい結末の物語は現実問題としてある。だからって嘘ついても仕方ない。
「前から伸ばしてたけどもう来月には進路確定しなきゃいけないから、その前にダンジョンに行ってきたんだ」
いけるか?駄目だとしても諦める気は無い、家出かなぁ。
「そうなのね、それならちゃんと言っていきなさい、初心者ダンジョンでも事故はあるんだから。かあさんも行ってみたいのよねぇ、美容にもいいらしいのよ」
「母!」
意外なことにかあさんはダンジョン肯定派だった。今まで話題を避けていたのが失敗だったな。咲夜はぷりぷり怒っているが、姫カットで人形の様に綺麗な咲夜は怒っていても可愛いだけなのだ。血が繋がっていれば俺もイケメンだったのかも。
遅くなったが飯を温めていただく。食い盛りなんだよ時間なんて関係あるか。
「兄、こんなに遅くなるまでダンジョンに籠もるほど楽しいのか?」
「咲耶、強くなるのは男のロマンなのだ」
ジト目で呆れた顔をされる。ふふっ、馬鹿め。その顔は可愛いだけなのだ。
「そんなに楽しいのか?」
「楽しいっていうか、レベルアップ出来るっていう当面の目標も見えてるし、金も稼げるからな。やり甲斐がある」
「ふむ」
咲耶は少し考えた後、顔を上げていった。
「兄よ、私もつれていけ」
という事で朝から妹連れでダンジョン行きが決まった。
止めようとはしたんだよ?でも危ないって言えば危ないことしてるのか?と詰められるし。まだ早いって言っても兄も中学生だろって言い返されて敗北した。口で勝てる要素無いんだよなぁ。
まぁ俺自身が危なくないと判断して夜にソロで回ってるし、楽しんでるし稼いでるんだから説得力がない。その上にかあさんも援護射撃をしてきて押し切られた。
かあさんは何故かダンジョン通いに積極的なんだよな、本人も行きたがってたからかな?
まぁいいや、レッグガードだけ買ってやれば怪我は無いだろう。
明日もがんばろう。ぐう。
翌朝。
「おはよう、今日もダンジョン行ってくるよ」
「鉄平!ダンジョンなんてやめておけ!かあさんがどうなったか忘れたのか!」
親父とエンカウントしてしまった。親父はダンジョンが大嫌いなのだ。
理由は俺を産んでくれたかあちゃんがダンジョンに呑まれたから。かあちゃんは上級探索者で相当な稼ぎがあったらしいが、6年前のある日、おかしくなって帰ってこなくなったんだと。
料理が上手くて腕っぷしが自慢のかあちゃんだった。あのかあちゃんがおかしくなってダンジョンに呑まれる?ダンジョンに呑まれるって何?実際は親父に愛想を尽かして出ていったんだと思っている。俺の事はいいんだよ、俺は強い男だからな。
「お父さん、今はダンジョンで楽しむ人も多いらしいですよ。隣に越してきた姫川の奥さんも行ったことがあるらしくって、今度一緒に行こうかって話てたんです」
「か、かあさん、でもねぇ」
よし、かあさんの相手をしている間に切り抜けよう。
「じゃあ行ってくるよ!お昼は外で食べるから!」
「あ、鉄平!」
「いってきまーす!」
脱出成功!さて、今日もがんばるぞい!
「兄、早く行くぞ」
咲夜はさっさと外で待っていた。賢い。
電車で3つ先の葛葉駅前初心者ダンジョン、通称「狸ダンジョン」に着いた。
「レッグガードだけ買っていくぞ、攻撃されるのは大体脚だし蹴り飛ばす時にも便利なんだ。」
「分かった、お小遣いは持ってきた」
スカートは論外なのでズボンを履かせたが、ツイル生地?なんかよく分からん。女の子の履物なんて知らんよ。学校のジャージでも履いてくると思ったらなんかオシャレなズボンを履いて来た。そんなの履いてるの見たことありませんよ。
「ズボンじゃないパンツだ」
「女の子がパンツでうろつくんじゃありません」
知ってるか?ズボンをパンツと呼ぶ国は英語圏でも少ないんだぞ。
レッグガードを装備して、ごちゃごちゃと人の多い休日のダンジョンに入る。
今日は妹連れになったが、本番は夜だ。それまでに100匹いけるかな?
ダンジョンには色々なタイプがある。入口は階段だったりトンネルだったり鳥居や門だったりする。中は迷路のような洞窟、広い空洞、アメリカにはSFの宇宙船内部みたいなダンジョンもあるらしい。他にも地下なのに空があったり海があったり森や平原、険しい山もあるそうだ。とにかく訳のわからないファンタジーな存在なのだ。
ここ葛葉の狸ダンジョンは大きな盛り土に入口を付けたような洞窟型、ポピュラーで初心者に優しいダンジョンだ。壁や天井が淡く発光していて視界も良い。モンスターが弱く内部も単純なダンジョンは、そのまま初心者ダンジョンとも呼ばれる。
「ダンジョンの中も人だらけだな、テーマパークみたいだ」
「あぁ、それでも奥に行けばだいぶ減る、行くぞ」
入り口付近は人だらけ、後はボス部屋までが観光ルートみたいになっている。ボス部屋前には警備が詰めており、ここのダンジョンでは進入禁止だ。ボスを倒したからってダンジョンが無くなるわけじゃないらしいが、その奥にあるダンジョンコアを破壊されるとダンジョンが無くなるらしい。魔物が湧かなくなって、徐々に崩れていくそうだ。
奥へと進む途中、岩陰から狸もどきが現れた。
「お、出たな。あれがここのモンスターだ。ここにはアレしか出ない」
「か、可愛いぃ」
歪んだ顔で牙を向いてギャゥゥと吠えてるんだが、どこに可愛い要素があるんだよ?
「オラァ!!」
ドゴッと蹴り飛ばして光に返してやった。あとに残るは小さな魔石のみ。
「なんという事を!」
「いやあれ魔物だからな?暫くしたら物陰で復活するぞ?」
やれやれ、魔物を倒しに来たんじゃないないのかよ。魔石を拾い上げて渡してやる。
「ほら、これが魔石だ。ここのは1個500円で売れるからな」
「うぅぅ、たぬきち、せめて安らかに」
やめなさい。
「えい!」
咲耶が狸もどきにナイフをぶっ刺している。早くも順応したようで良かった。
ここには狸モンスターだけが出るんだが、どいつも同じ見た目をしている。これについては研究した人がいて、同一個体のコピーだというのが結論だ。ダンジョンが記録した情報からコピーを生み出しているのではないかというのが有力な説。
まぁ要するに遠慮せずに戦えって事だ。これを実感した咲耶は遠慮が無くなった。
「これで100匹」
ちょっと遊びに来ただけかと思われた咲耶だが、意外なことに物凄く頑張っている。昼飯を牛丼で済ませた時は微妙な顔をしていたが。
「そろそろ帰ろう、晩飯までには戻るように言われてるし」
「分かった、兄はちゃんと私を送るように」
へいへい。魔石を拾い上げ帰路につく、帰りにも数匹出るだろうが今回の稼ぎは咲耶に渡してやろう。咲耶なら問題なく管理するだろう。
その帰路にミラクルが起こった。
「ん?兄よなにか落ちているぞ」
「へ?」
見るとそこには淡く光る白い玉。え?あれは・・・!これスキル玉だ!
「よいしょ」
「まっ!だっ!!」
咲耶が無造作に拾ってしまった。玉は一周だけ強く光り、溶けるように消えてしまう。
「え!?なんなのです!?」
「あぁ~~・・・」
やっちまいました。スキル玉は直接触れると触れた人に吸収される。取り扱い注意の代物なのだ。
「はぅっ!!」
突然ビクリと跳ねる咲耶。
「あばばばばばばば!」
これは酷い、スキルの目覚めってこんななの?いつも冷静で人形の様に澄ましている咲耶が、上を向いて目を見開らき口をパクパク開け閉めしてる。うーん、滑稽だ。
「はぁっはぁっはぁっ」
「大丈夫か?はい水」
「ふぅぅ、ありがとうございます」
言葉が乱れてるぞ、いや乱れてないがいつもと違うぞ。
息を整え水を飲んで落ち着いた咲耶は、手をニギニギしたりして何かを確かめている様子だ。
「どうだ?なにか分かる?握力UPでも覚えた?」
「回復魔法を覚えました!」
お、お、大当たりじゃねぇか!!
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